以下、滝口敬祥著「運命審学書」より。
姓名の因果律
この姓名鑑定は昭和41年2月9日ある温泉町の○○家の女主人に依頼されて行ったもので、6名の亡くなられた方々の最期がまったく姓名学上に示された暗示が敵中していたことを一人の生存者・仁子さん(仮名)の証言で知ることができたものであります。
したがって、仁子さんよりあたる肉親関係の間柄を父母兄妹の別に記してあります。
仁子さんの父親の名前
父親の英一さんの主運(人格)19は非業破滅の大凶運であり、副運(外格)の13数理も加えて目先はきくが忍耐力に欠け、仕事は次から次へと転じ、しかも地格12数理は無理をするようになっている事かなど要点を説明すると、
仁子さんは、その通りだと言う。
このお父さんは胃腸関係の病気、胃がんのような病気で亡くなったのではないか?と私の説明に、仁子さんは飛び上がらんばかりに驚いて、その通りです。なぜ病気までわかるのかと不思議そうな顔で聞いていました。
仁子さんの母親の名前
「このお母さんは気苦労が多くて一日として心が安らかでなく、心臓か脳、目に病気がきます」
成功運・天格・人格は成功絶対圧止、心臓麻痺あるいは脳溢血など生じやすいから心臓麻痺は免れません。
さらに総格28数理は波瀾変動多く、平和の望み少なく終生辛労多い 険悪運で、「貴女のお母さんの苦労は口先や筆でとても表現できません。」と言う私の言葉に仁子さんは泣き伏してしまったのでした。お母さんが心臓麻痺で亡くなったことは後で話してくれました。
仁子さんの兄の名前
「この兄さんは温厚で円満で肉親思いですが、仕事の運が悪いですね」
「その通りです。良い会社に入っても倒産したり、自分は病気になったりして、仕方なくやめなければならないようになりました」
「妻運も悪いようですね」
「はい、兄は独身でした」
人格(9または10)地格(5または6)表面安定なるがごとくして何時しか不安に巻き込まれる。急変死の暗示あり。そのように説明すると、「その通りです。急性肺炎で亡くなりました」とのことでした。
「まことに惜しいお兄さんを亡くしましたね」
「はい、せめて兄が生きてくれていたら」
仁子さんは思い出したように涙にくれるのでした。
仁子さんの姉の名前
「このお姉さんは温厚にみえて時々短気なところがありましたね」
「はい、日常は温厚なのですが時々は気が短いようでした」
「このお姉さんも縁談は九分通り決定してもだめになる」
「その通りです。先に結納まで入っていたのですが、行けなくなって」
「この方は、子宮とか腎臓に欠陥があり、人格(9または10)地格(3または4)に急死が出ますが」
「その通りです。尿毒症で亡くなったのですから」
仁子さんの弟の名前
「この弟さんの名前は、まったくの短命運で人格(3または4)地格(9または10)に急死がありますが?」
「はい、その通りです。弟は生後二ヶ月未満で急性肺炎で死にました」
仁子さんの妹の名前
「この妹さんは勝気で剛情性の名前ですね」
仁子さん無言。
人格(7または8)地格(3または4)絶対不安定性格を破り思想上の変化を生じ、晩年ますます凶兆となり、副運(外格)27数理は遭難事故死のおそれあり、総格44は破家亡身の最悪兆あり、悲運惨憺破壊、失意、逆境病難、遭難の凶暗示あるから交通事故死のおそれがあると説明すると、
「なぜです。なぜこのようなことが分かるのですか。ほんとうにおそろしい。妹は交通事故で死にました。もっともっと早く先生にめぐり会えていたら!」
呼べども戻らぬ過去、父母、兄弟、姉妹の不幸に今すべての理性を失ったかのごとく激しく泣きむせぶ仁子さんの姿を私はどうすることもできませんでした。
ほんとうに仁子さんの言うようにせめて10年早く出会っていたならなんとかこの不幸を転嫁できたかもしれない!
否!人間なんの不安もない時、このようなことを言っても果たして信じて改名していただろうか!
それは神のみの知る永遠の謎でありましょう。