滝口敬祥著「運命審学書」より
頭領運数による寡婦(未亡人)の事例~祖母、母、娘、三代にわたって寡婦となる~
頭領数がある子は、負けん気を発揮し勉強や競争で結果を出すので、頭領運は良いと思われがちですが、女性に ...
21、23、33、39数の大頭領運数は女性の場合、ことごとく寡婦となり、社会的には成功しても家庭的には不幸の人が多いのは事実であると、事例によって知ることができたと思います。
しかし男性の場合は、人の上に立ち何百人何千人、何万人の頭領となる輝かしい運数であります。
私は過去三十有余年に何十万人の人を鑑定してきましたが、この頭領運数は男性には大吉となっていますが、実際はその影響を受けて挫折した人も少なくありません。
男性と頭領運数
これは深く掘り下げていくと、先天運宿命星(持って生まれた天恵の素質)に関係があります。
すなわち、頭領として人の上位に立って君臨する大器の人物であればもちろん、これらの頭領運数は最も強い力を発揮することができますが、全然その天恵素質の無い者に大頭領運数を名前につけると、かえってダメになるというケースが多いことを体験しました。
それらの人達はもちろん学力もなければ財力もない。例えば、どのようなえらい将軍でも初めは二等兵である。
下積みからたたき上げて、みずからを磨き鍛えるという意志気力に欠け、なまじ頭領運数を持っているために自分の上位の人に不足不平不満の念ばかり強く、甚だしいのになると上長の人と不和が原因で数十回も転職するといった人も多数おりました。
頭領になるまでには人一倍の努力が必要
人の上位に立つ頭領という者は、先天的に持って生まれた相当なる宿命星と、それにかなう強い信念と度量、さらに「清濁併せ呑む」の包容力と胆力のすぐれた人物でなければ、それぞれの数理の力を充分発揮でき得ぬということを知りました。
もちろん社長といっても、大企業の社長から小企業の社長まで大小の差があって、部下の者を心から感服させるということは理論的には至難でありますが、小さい会社の社長であっても自然に備わった偉丈夫の人もおります。
要するに、大小の差よりも人物そのものにすべてがかかるのです。
実際に鑑定していくと、「この人は絶対に次席で社長になるとダメ」というのがあります。
これは先天運(生年月日時)と後天運(名前の暗示)によるものであります。
社長を望んだ専務・課長の例
とある温泉町の大旅館は最初は小さな三流旅館でしたが、当時の専務が実力者で、戦後の苦境を乗り切って一流の大旅館に築き上げたのです。
周囲の人々はもちろん、ご本人も大満足で得意になっておりました。ある方の紹介でその専務を鑑定しました。
私は「次席としてはこの方の右に出る人は、まずいないのではないか。」と極言しました。ところが、専務は目下大きな旅館を建築中だと言う。
「すると、あなたは社長ですか?」と聞くと、
「そうです。これから私の本当の実力を出しきるチャンスが来ました。」とご本人は意気揚々です。
紹介者の専務の友人が「どうでしょうか。大丈夫でしょうか。」と心配して何回もたずねるので、
私は「この方は専務であれば日本一の専務ですが、社長としての先天的の適用星はなく、さらにお名前の方にも頭領運数はありませんので……。」と言葉をにごすと、その専務さんはすっかり気を悪くして帰られた。
やがて新築完成したその大きな旅館は花々しくオープンしましたが、専務と社長では勝手が違ったのか、あれだけ実力者であった人が実にあっけなく2年と続かず、その旅館は第三者の手に渡ってしまったのです。
人間人生において、何と言っても自分の分限を知り、その分限に甘んじて最善を尽くすことは平凡であっても一番安心である。という実例です。
課長の例
またこのような事もありました。
ある男性は商才に長け、頭も良く、要領も良くて、とある銀行の課長になりました。ところが本人は社長になりたくて仕方がないのです。
私は彼に「あなたは先天運から言って課長に満足せねばなりません。それ以上を望んでは反対に破滅になるでしょう。」
と進言して上げたが、ある人から「社長になってくれ。」という甘言に乗って、とうとう課長を棒に振ってしまい、社長になる夢も泡沫のように消え失せてしまって、その日暮らしの生活に陥っているという。その方の知人よりの話です。
このような事の多い世の中です。自分の姓と名前の配合上、何としても大頭領運数を用いることの出来ない人は無理せずとも16、31、41数のごとき温和な中にも人から尊敬され人の上位に立つ運数を使用することで、決して「大頭領運でなければならない」というような考え方をしてはなりません。
よく姓名学を研究し始めたばかりで無闇に大頭領運を付けたがります。
私の先に姓名学の指導をした男で、成崎豊(仮名)がおりました。その男が自分で改名した名前は、
でありました。(仮名なるも、同画数)
数理的には全部吉数ですが、結局は彼は職を選べず、だれもかれも頭領運を使用してもなかなかその通りにならないことを身をもって体験出来たか?悟れなかったか、知る由もありません。
かくのごとく女性には大々凶の大頭領運数が、男性においてもその先天的な素質のない者には、かえって重荷となっている事実もあるのです。
「名前は数理だけではない」とよく言われますが、正にその通りなのです。