この記録は姓名学を研究している、会社の一重役の進言が、かくも恐るべき暗示を呼んだものであり、姓名学を学ぶ人に重大反省を促すために発表することにした。
独学による間違った姓名判断の例
思いおこす昭和29年4月。〇県〇町政府協定観光旅館〇〇が全焼した。
大実業家としてその敏腕を謳われた宅間氏(仮名)は、全焼前よりさらに立派な欧和風の新館を昭和30年1月に完成されたが、2年目に再び火魔に見舞われた。
8月に再度の出火により全焼するという、まことに気の毒な凶運は現実となって現れた。
この姓名に示された数理は幼歩の人(初学者)が見れば、まず吉名と信じるであろう。
すなわち人格13、外格8、地格3、総格21となり数理的には最大吉数であるが、いかんせん、天人地と三才の配置は大々凶にあり、深くこの姓名の組織を考えれば、実に凶名であることが肯定できる。
ところが、当の旅館の某重役が姓名学の独自研究をなし、「社長の宅間一二という姓名は最大吉名です。」と進言したため、ついに改名されなかったのは重ねがさね残念に思われる。
また、1回目の出火の際、某墓相家は「出火を祝す」と発信をなしたが、その弁に「万一出火無くば当然主人の生命になんらかの危険が生ず。これが出火で救われた、うんぬん。」
これは運命学上いかがなものかと思われるが、実際、数十万円を投じて墓を正し家相をも正したと聞くが、ついに墓相も家相も再度の出火を阻止できず。姓名の暗示力の強烈さを今さら痛感させられる。
(註:墓相は否定すべきでない)
独学による間違った改名の例
また、〇町に居住する草野豊次氏(仮名)は、私が「急変死の暗示あり」と鑑定をなして3日目に電気工事作業中に急変死をされたが、
改名前
この人の所属の某課長は姓名学の独自研究をされており、草野豊次(とよじ)氏に草野豊二(とよじ)と改名を与えた。
課長は「これにより急変死、心配なし」と極言したが、豊次の豊は13画にあらず。
呼び名を「とよじ」で改名の場合は豊18画となる
「とよ」なら18画となり、「レイ」と呼ぶ時にのみ13画となる。
課長が豊13画のつもりで考えた名前。しかしこの改名の場合でも凶名
この理屈を知らぬため、このような見解でなしたものであるが、これもとても天人地「内面分離作用を生じ短命悲運に陥る」となり、「レイジ」と呼んでも大凶名である。これまた誤った改名はさらに凶運を誘導したものである。
未熟なる姓名学の危険
いいかげんの研究で改名をした結果、生ずる凶運の責任は、皆これら悪用者が負うべきであり、この悪因は必ず悪果となって、やがては自己の一身に及ぼすであろう事をとくと自覚せねばならぬ。
姓名学は単なる数理の法術では断じてない。
数理的な改名のみでは本当に我々は救われないであろう。