滝口先生が姓名学に出会う前は、手相を活用され、よく当たると人気を得たそうです。
どんなことを当てられたのか、記載されていた内容をご紹介いたします。
手相による予言
・漁船○○丸のおばあさんの手相を見て、「近いうちに50万円ほどの漁がある」と予言して3日後に良く当たったとお礼に来られた。
・漁船○○○丸の船主である夫人の手相を見て、「遠洋漁業に出漁中の同船が故障があって帰港してくる」と予言したところ その船は機関の故障でまもなく帰港してきた。
・温泉○○荘の夫人の手相で「4、5日のうちに無銭飲食か心中のごとき不幸がある」と予言したところ、3日目に男女の心中があった。
滝口先生が住む場所は海が近くて温泉街、旅館が多数ありました。
来客の顔を見て支配人に宿泊をお断りするよう助言した次の日に、別の旅館で泥棒被害に遭ったいう話もありました。
ある日、同じ温泉某旅館のご夫人が滝口先生のことを聞いて「ぜひ鑑定してほしい」との依頼があったそうです。
ご夫人の手相を見た滝口先生は「あなたは妊娠していますね。」と言うと、
ご夫人は驚いて「よくわかりましたね。まだ2ヶ月ですのに。」
とのことで、それからご夫人の質問されるままにこの3点を強調して予言した。
- まず難産であること
- 出産児の性別は女の子であること
- 出産後に家庭的な重大悲劇が起こること
私の鑑定に不満なご夫人はその後、東京から高嶋某先生を招いた。その鑑定は、
1.まず安産であること
2.出産児は男子であること
3.あなたは日本中で十指に入るほどの良い運をもっているから、自信に任せて思う事はどしどしやれ
と、まったく私とは正反対の予言をなしたと聞いたが、その結果はご夫人の出産は予定よりも1か月も早く、聞くところによると医師は3人も立ち合った。
- もちろん難産であった(第1の予言的中)
- 出産児は女であった(第2の予言的中)
- そのご夫人は出産で入院中、主人は他の女性と正式に結婚してしまった。
出産したご夫人は内縁関係であったそうで、もはや不必要な人となった。
私の最も恐れていた「家庭的な重大な悲劇」は、その通りの予言のままに終止符を告げた。
私は自己の鑑定に満足すると同時に一掬いの悲哀が胸に残った。人間の運命の事前予言、そして的中。これ以上如何とも出来ないものであろうか?
「あなたは今まで行った手相による予言の根元は果たしていずれにあるのか?」
50万円の漁。遠洋漁業の故障。心中事件は?
某ご夫人の3つの予言。難産、女子出産、家庭的悲劇は?
手相のどの線によって立証説明でき得るか?
もし人がこのように尋ねたら、私は率直に「わかりません」と答えたことでありましょう。
もちろん手相の本にも書いてない事をなぜ予言できたのか?
私の場合、手相を見ているとき、自然に脳裡にきらめいてくるものをそのまま予言する。言葉を別にして言えば、霊感「インスピレーション」のひらめきによる予言という他はない。
不徳な手相鑑定家の中には口から出まかせのことを言ったり、それを業(なりわい)としている者には、人を喜ばせて金にするというようなのが多いから注意すべきであります。